
建築をめざして
ル・コルビュジエ=著
吉阪隆正=訳
この本との出会いは、建築系ラジオで五十嵐太郎氏がオススメしたい本に選んでいた事から知るにい至り、のちに建築学生としては初歩的な位置付けの本だと知った。
この本では、ル・コルビュジエが21世紀の建築とはこうあるべきだという強い主張が書かれていて、以前の建築で言われていた何々様式というものを否定している。また、まえがきでは、『「建築」とは何かをもう一度考えてなおしてみるきっかけ、今日的であるためには具体的にどうあらねばならぬかという問題を考えなおすに絶好の著書である』と綴られている。
僕がこの本にすごく惹かれた内容は、建築とは感動させることであるとはっきり唱えられ建築的感動とは「光の下での空間の、よく考えられ、正しく、立派な組み合わせ」であるとするところだった。初めて建築書でこのような、いわゆる綺麗事というか理想論というか、精神性などのセリフはタブーなのかと思うくらいリアルな部分ばかりだったがストレートに自分の気持ちを告白してくれたような気分になった。もちろん正確な裏付けや見解、思考があるわけだけど僕はすごく嬉しくラジオで言っていたように前向きになれる気がした。
前半では都市や建築の覚え書として立体と、面と、平面について語られている。読むとわかるがすごくシンプルに記されているので理解がしやすく順序だてられている。
話は船や飛行機、自動車などの工業製品などと建築を比較しながら展開され独特な図版を用いて非常に興味深い。たとえばパルテノン神殿とスポーツカーの図版を並べるなど。
このなかで特に感じたのは、
建築と建設は違う。
建築と建物は違う。
建築家と設計士は違う。
なんだろうなぁと感じたこと。
建築は住むための機械でありながら建築を創る事はただモノを構築するだけでは成し得ないというところに行き着いた。
そして建築は芸術であるということも。
最後は建築か革命かであると綴られて締めくくられる。最終章では事あるごとに『革命』というキーワードがでてくる。時代への意見。個人的にはここはすごく難しく考えたのでまた時間を開けてから再読しようかと思う。初心を忘れない意味でも。
ル・コルビュジエのお墓の前で誓った事は忘れない。僕は『建築家になる』と…
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